自分の手で検証する、個別株分析ツール

「勝率78%」を見分ける物差しを、今度はあなた自身の手に――ClearQuant

前回、見分け方を知ったあなたへ。同じ統計的な厳しさを、今度はあなた自身の銘柄・売買ルールに向けるための道具です。専門用語は隠さず、都合の悪い数字も隠しません。

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SNSで「勝率78%」の文字を見かけた。気になる銘柄は、いつもの表計算に点数を打ち込んで並べ替える。買った銘柄の値段はメモ帳に書き、何株買うかは電卓で割り算。やっていることはまじめなのに、あとから「あの点数、どの前提だったっけ」と開き直すことになる――そんな経験はありませんか。ClearQuantは、その散らかった作業を、一つの画面の中にまとめた日本株の分析アプリです。

前回、私たちは半年以上かけて何十もの「有望に見える」候補を検証し、その大半を手放してきた話をしました。「寄り付きの歪みを狙う手法」が最初は本物に見えて、試した回数を正しく数え直したら統計的な合格ラインから転落したこと。「値動きが穏やかな銘柄を選ぶ手法」が統計的には本物なのに、実際に組み込むと成績が悪化したこと。学術的に名前の通ったアノマリーでさえ、日本株の実データにかけると教科書通りにはいかなかったこと。

もしあなたがあの話を読んで、4つのチェックポイントのどれかに「確かに」と頷いたなら――試行回数を隠さず数える。統計的に本物でも実運用で良くなるとは限らないと知っている。理由を値動き以外の言葉で説明できないものは疑う。1つの期間・1つの銘柄だけの成績を鵜呑みにしない――その基準は、もうあなたの中にあります。 基準を持ったなら、その基準を実際に使う道具も手元にある方が筋が通っています。今日はその道具の話です。

この市場は、もう「勝率」では動かない

個別株の情報・分析ツールの市場を見渡すと、「勝率92%」「AIが自動で選ぶ」「億り人の手法」という言葉が、正直なところ出尽くしています。前回お伝えした通り、こうした言葉の少なくない部分は、何百通りも試した中の最良値を1つだけ切り取ったものです。あなたはもう、その仕組みに気づいています。だからこそ、ここでもう一度「勝率」を強調しても、あなたの心は動かないはずです。

ClearQuantが訴えるのはそこではありません。「何が当たるか」ではなく、「その当たり方が、何通り試した末の偶然ではないと、どうやって確かめるか」 という、そもそも土俵が違う話をしています。ご自身で契約したデータ配信サービスのデータをもとに、あなた自身の売買ルールを、前回お見せしたのと同じ統計的な厳しさ――DSR(偶然の当たりを差し引く検定)、区間分割検証(ウォークフォワード)、ばらつきの検証(モンテカルロ)――で試せるデスクトップアプリ、それがClearQuantです。専門用語は隠しません。ただし専門用語が出るたびに「=つまり」で言い換えます。

私たちも、あなたと同じ場所に立っています

先に断っておきたいことがあります。ClearQuantを作った私たちは、個別株で連戦連勝している専門トレーダーではありません。S&P500やオルカンを黙々と積み立てながら、前回書いたのと同じ物足りなさを感じ、自分たちの手で何十もの候補を検証しては、その大半を――ときには半年かけて追いかけた候補まで――手放してきた側の人間です。前回の事例1でお話しした「寄り付きの歪みを狙う手法」は、実は私たち自身が最も期待していた候補でした。それが試行回数を正しく数え直した瞬間に不合格へ転落したときの徒労感は、今でも覚えています。

もしあなたが「インデックス投資は続けているが、それだけでは物足りない」「NISA積立は退屈だが、自分の判断も入れてみたい」と感じている側の人間なら、ClearQuantは、まさにその同じ場所に立っている私たちが、自分たち自身のために作った道具です。専門トレーダー向けの高機能端末ではなく、あなたと同じ地点から出発した人間が、遠回りをしながら組み立てたものだと思ってください。

あるいは、こういう動機の方もいらっしゃるかもしれません。 積み立てている投資信託の中身が、気づけばほとんど外国の資産になっている。基準価額が上がった日に理由を調べてみたら、株価ではなく円安が効いていた――そんな経験です。円で稼ぎ、円で生活し、円で使う予定のお金を、為替の動きに預けたままでいいのだろうか。そう感じて、円建てで完結する国内株式に目を向ける方は少なくありません。

そう考えたとき、次にぶつかるのが「では、どの銘柄を、どういう根拠で選ぶのか」という問題です。投資信託なら「全世界に分散」というひとことで済んでいた選定の理由を、個別株では自分で用意しなければなりません。そしてその根拠を探しにいくと、待っているのが「勝率78%」の世界です。ClearQuantは、まさにこの地点で必要になる道具として作りました。国内株に目を向けた理由が為替であれ退屈であれ、必要になるものは同じ――自分が選んだ根拠を、自分で確かめる手段です。

問題|「検証」を謳うツールの、ほとんどが検証していないこと

個別株の分析ツール・シグナル配信の多くは、「バックテストで勝率◯%」という数字だけを見せます。しかし、そのバックテストが何通りの条件を試した末の最良値なのか、未来のデータを覗き見ていないか、手数料や値動きの現実的なコストを引いた後の数字なのか――そこまで開示しているものは、驚くほど少ないのが実情です。

放置すると何が起きるか、具体的に想像してみてください。試行回数を数えずに「合格」と誤認したまま実際の資金を投じ続けた場合、前回の事例1のように、統計的には0.0000という「偶然でないとは言い切れない」水準の手法に、本物の資金を賭け続けることになります。これは数万円で済む話ではなく、続ければ続けるほど失う金額が積み上がっていく種類の問題です。ClearQuantは、この「検証したふりで終わる」問題そのものに対する道具として設計しました。

アプリは、左側のメニューから画面を選んで使います。全9画面(メニューの8項目と、ヘルプから開く「はじめに(迷ったらここ)」)。毎日使う画面と、過去の株価で試す画面に分けて、順に説明します。

毎日使う画面1|今日のスキャン

アプリを起動すると最初に開く画面です。「スキャン実行」を押すと、取り込み済みの全銘柄が、選んだ戦略の点数(0~100点)が高い順に並びます。計算が走るのはボタンを押したときだけで、裏で勝手に動いたり、通知が飛んできたりすることはありません。表の行を選ぶと、右側に点数の内訳(どの指標が何点か)が出ます。

点数の横には「区分」が出ます。これは、その点数があなたが設定した線(70以上・50~70・30~50・30未満)のどの帯に入ったかを色で分けたものです。買い・売りといった行動を指示する言葉は、画面のどこにも出ません。線の初期値は同梱の戦略に入っている値であって、開発者が勧める水準ではなく、その水準で検証したものでもありません。「戦略を編集」で、自分の考えに合わせて変えられます。

→ つまり:何百、何千という銘柄を自分の目で1つずつ見て回らなくても、「今日、自分が決めた点数のつけ方で、どの銘柄が上に来たか」を機械的に並べて見せてくれる、ということです。内訳まで見えるので、ブラックボックスの数字を鵜呑みにする必要がありません。

もう一つ、地味ですが大事な設計があります。「点数を出せなかった銘柄」も、理由つきで別のタブに表示します。 データが足りない、直近の値動きの履歴が短すぎる、決算情報が存在しない――そうした「都合の悪い」ケースを黙って隠さず、一覧に残します。さらに「警告」のタブには、データが古いなど注意が必要な銘柄が並びます。都合の良い銘柄だけを見せて、計算できなかったものを画面から消してしまうツールは、実は少なくありません。

毎日使う画面2|保有と損益

買った銘柄を、自分で入力して記録する台帳です。銘柄コード・株数・取得単価・取得日を入れると、取り込み済みの最新の終値で含み損益が出ます。売ったら「決済」を押して記録を移すと、決済後の損益も見られます。すでに何銘柄も持っている方は、CSVファイルでの一括登録もできます(1行でも不正な内容があれば全件を登録せず、何行目のどの項目が問題かを表示します)。「損益」のタブでは、資産と損益の推移のグラフも見られます。

この画面は、証券口座とは一切つながっていません。追加・決済・削除のどの操作をしても、証券会社に注文が送信されることはありません。「今日のスキャン」で気になった銘柄を買ったら、「約定を記録」から実際に買った内容を台帳に写す、という使い方です(実際の内容にチェックを入れるまで「記録する」は押せません)。

毎日使う画面3|株数の計算

1銘柄について「資金や損切りの考え方から、何株になるか」を計算する画面です。計算方式は6つ――資産に対する比率、固定金額、固定株数、許容損失率、値動きの大きさ(ATR)、値動きのばらつき(標準偏差)。結果には株数・投資金額・資産に対する割合に加えて、計算式そのもの(どの数字をどう割って、100株単位に切り捨てたか)が出ます。

「今日のスキャン」の表には、設定した予算から割り出した「計算株数」「計算金額」も並びます。投資予算と目標保有銘柄数を入れる場所は、設定の「投資予算・株数の計算」だけです。1銘柄あたりの金額は、次の式で決まります。

1銘柄あたりの金額 = 新規に使える予算 ÷ 残りの枠数
 新規に使える予算 = 投資予算 − 保有ポジションの拘束額(取得単価×株数)
 残りの枠数    = 目標保有銘柄数 − すでに保有している銘柄数

→ つまり:「10銘柄まで持つつもりで、すでに7銘柄持っているなら、残り3枠に、まだ使える予算を3等分する」という考え方です。拘束額と残りの予算の内訳は「今日のスキャン」の表の上に表示され、予算を直したくなったら、その行の「予算を変更する」ボタンから設定へ移動できます。もちろんこれは、あなたが入れた数値を式に当てはめただけの計算結果です。実際に買うかどうか、いくら分買うかは、すべてあなた自身が決めます。

過去の株価で試す画面|運用シミュレーション

左メニューの「運用シミュレーション」には、3つの画面が入っています。

「シミュレーションを実行」の結果は、4つのタブで見ます。成績、ばらつき(モンテカルロ)、偶然でないか(DSR)、感度と警告です。ここが、ClearQuantの中核です。前回使った物差し――DSR(Deflated Sharpe Ratio、Bailey, Lopez de Prado et al., 2014)――を、あなたが組んだルールにも当てられます。前回お話ししていない専門用語が出てくるので、先に二段構えで説明しておきます。

区間分割検証(ウォークフォワード分析)=つまり、データを「学習に使ってよい期間」と「まだ見ていない未来として扱う検証期間」にあらかじめ区切り、後者の期間だけを成績評価の中心にする手法です。「過去のデータを未来から覗き見て都合よく条件を選ぶ」という、バックテストで最もよくある不正(ルックアヘッドバイアス)を、仕組みとして防ぎます。画面では、学習期間と検証期間(年)を自分で決めます。

ばらつきの検証(モンテカルロ・シミュレーション)=つまり、取引の並び順を何百回、何千回とランダムに入れ替えて、「たまたま良い順番で勝ちが並んだだけではないか」を確かめる手法です。1回の結果だけを見て一喜一憂しないための仕組みです。

DSR(偶然でないかの検定)=つまり、条件を何度も試せば、たまたま良く見える結果はいくらでも出ます。その「何度も試したことによる偶然の当たり」を差し引いても、成績が残るかを見る指標です。実務で使う合格の目安は0.95です。

シャープレシオ=つまり、リスク(値動きの荒さ)に対してどれだけ効率よく資産が増えたかを表す指標。最大ドローダウン=つまり、運用期間中に資産が一番深く沈んだときの下落率です。年率リターンと合わせて、「成績を見る」画面の右上、「その他」の「言葉の説明」から、日常の言葉で調べられます。

そして、これがこの機能の一番大事なところです。ClearQuantは、都合の良い結果だけを見せる作りにはなっていません。 私たち自身が最も期待していた「寄り付きの歪みを狙う手法」(アプリ内の名前は「ギャップフェード(日中)」。前回の事例1で、前段でお話しした徒労感の原因でもあります)を、同じ検定で判定し直した記録が、開発の記録にそのまま残っています。

試した設定の総数を漏れなく数え直した結果、真の試行回数は直近の上場銘柄だけで見た場合46通り、過去に上場廃止になった銘柄を含めた場合40通りに達しました。この正しい試行回数でDSRを再計算すると、どちらの場合も0.0000――実務で使う合格の目安(0.95)には遠く及ばず、不合格という判定になりました。

さらに、この不合格を後から覆せないかも、実際に検討しました。もし「まだ見ていない新しい期間のデータ」が残っていれば、そこで再検証して結論が変わる可能性はあります。ですが、実際に保有している全期間のデータ(約10年分)を洗い出したところ、その全期間がすでに検証のどこかの段階で使用済みであることが判明し、「まだ見ていない期間」は現状のデータには存在しない、という結論に至りました。 つまり、この手法の不合格判定は、今のところ技術的に覆しようがありません。

正直に言うと、これは私たち自身にとっても痛い結論でした。それでも、この判定をそのままお見せするのは、ClearQuantが「良い数字が出るまで条件を変えて試せる」ツールではなく、「試した回数まで含めて正直に判定する」ツールだということを、実際の記録で示したかったからです。 この不合格は、アプリ内にも隠していません。「戦略を編集」や資金配分の画面に、DSRの基準を通過していないという注意書きが出ます。手法そのものを売るのではなく、判定そのものへのアクセスを売る――これがClearQuantの立場です。

戦略を編集|点数のつけ方を、自分の手で変える

「移動平均線を上回ったら見る」「出来高が急増したら見る」――多くの人は、こうした自分なりのルールを頭の中には持っています。ただ、それをコードに落とし込むには専門知識が要る、というだけの理由で、一度も検証しないまま「なんとなく」の売買を続けてしまう。検証していないルールは、前回の何十もの候補と同じように、単なる後付けの思い込みかもしれません。

「戦略を編集」は、その壁を取り除く画面です。右側は4つのタブに分かれています。スコア設定(指標ごとに「どの水準なら何点か」と重みを決め、「区分の線」もここで変えます)、未保有の判定(まだ持っていない銘柄に当てる条件)、保有中の判定(すでに持っている銘柄に当てる条件)、売買ルール(保有銘柄数、入れ替えの頻度、約定のタイミング、手数料・滑りの想定)。どのタブを編集しているかが常に分かる作りです。

→ つまり:「こうだったら点数を高くする、こうだったら外す」というあなたの頭の中のルールを、コードを1行も書かずに、そのまま形にできるということです。「検証」ボタンで設定の誤りを確認できます。ここで出る案内文にも一言添えてあります――「これは過去の成績の計算ではありません」。成績を確かめるのは、さきほどの「シミュレーションを実行」の役目です。保存すると、同梱のサンプルは上書きされず、あなたの戦略として別に保存されます。保存した戦略は、アプリを再起動しなくても、「今日のスキャン」と「シミュレーションを実行」の一覧に出ます。

ゼロから組み立てるのが難しく感じる場合のために、戦略のサンプルを10種類同梱しています。起動時に選ばれているのは、日本株の60通りを超える手法・アノマリーを何度も条件を見直しながら検証し、最後まで崩れなかった戦略「割安株」(益回りとPBRの逆数を同じ重みで合成して、株価の割安さで点数をつけるもの)です。ほかに、割安さとトレンド・資金の流入・値動きの穏やかさを組み合わせたもの、ギャップフェード(日中)、動作確認用のゴールデンクロス確認などが並びます。これは「この通りに使ってください」という意味ではなく、あなた自身が戦略を組み立てる際の、たたき台・参考事例としての位置づけです。なお、ギャップフェードだけは専用の計算で動くため条件の編集ができず、パラメータの確認のみです。同梱の戦略の数値は、いずれも将来も通用することを保証するものではありません。

資金配分(複数戦略)――シグナルを「混ぜる」のではなく、財布を分けて回す

検証を1つの戦略で完結させると、次にぶつかる問いがあります。「この戦略が苦手な相場に入ったとき、どうするのか」 です。1つの戦略には、得意な地合いと苦手な地合いがあります。苦手な期間に耐えられずに手放してしまえば、どれほど厳密に検証したことも意味を失います。

この問いに対して、多くのツールは「複数のシグナルを1つのスコアに合成する」という答えを出します。正直に言うと、私たち自身も最初はその方向で何度も試し、そのたびに失敗してきました。性質の違う判断を1つの数字に混ぜると、どちらの良さも打ち消し合って消えてしまうからです。そこでClearQuantが採ったのは、逆の発想です。シグナルを混ぜるのではなく、財布を分ける。 複数の戦略を、それぞれ独立した財布として同時に運用し、日々の損益を、あなたが決めた配分比率で足し合わせて評価します。

→ つまり:財布を2つ用意して、片方では割安な銘柄を狙う戦略を、もう片方では性質の違う別の戦略を、互いに干渉させずに別々に回す。そのうえで、2つの財布の損益を「7対3」「5対5」といった比率で合算したら全体としてどう見えるか、を測るということです。

使い方は、「シミュレーションを実行」の「何を試すか」で、「検証の記録がある資金配分」か「資金配分を自分で組む」を選ぶだけです。後者では、戦略を2つ以上選んで配分(%)を入れて実行します。「戦略を編集」で自分が作った戦略も部品になります。前者には、開発チームが実際に計測した5通り(割安株のみ、ギャップフェードのみ、割安株とギャップフェードの7対3・5対5・3対7)を同梱しており、記録の数値をそのまま画面で確認できます。実際の計測結果のうち、割安株を軸にした4通りは次の通りです。

配分年率リターンシャープレシオ最大ドローダウン
割安株の戦略のみ(合成なし)12.12% / 7.54%1.380 / 1.46421.67% / 13.93%
割安株 7 : ギャップフェード 315.83% / 12.27%1.399 / 1.20516.72% / 14.70%
割安株 5 : ギャップフェード 517.91% / 15.05%1.160 / 0.98820.42% / 20.85%
割安株 3 : ギャップフェード 719.68% / 17.51%0.989 / 0.87125.44% / 27.17%

各セルの左が「現在の上場銘柄だけで計算した数値」、太字の右が「途中で上場廃止になった銘柄も含めて計算した数値」です。
評価期間は2020年1月7日~2026年9月7日の1,631営業日で、条件を選ぶのに使っていない期間だけで計測しています。

この表で最初に見ていただきたいのは、太字の列です。 上場廃止になった銘柄を計算から外すと、成績は実際より良く出ます(生存バイアス)。「実際より良く出ます」と言葉で濁すのではなく、どれだけ違うのかを数字で並べました。7対3の配分でいえば、年率リターンは15.83%ではなく12.27%が実態に近い数値です。差は3.56ポイント。この差を伏せたまま「年率15.83%」とだけお見せすることもできましたが、それでは、このアプリが売ろうとしているもの(都合の良い結果だけを見せないこと)と矛盾します。

リターンの大きさ以外に、もう一点。3つの配分のうち、年率リターンが最も低い「7対3」が、シャープレシオでは最も高く、最大ドローダウンでは最も浅いという点です。割安株の戦略だけで回した場合と比べてみてください。上場廃止銘柄を含めた数値でいえば、7対3の配分では年率リターンが7.54%から12.27%へ上がる一方、シャープレシオは1.464から1.205へ下がり、一番つらい時期の落ち込みは13.93%から14.70%へ深くなっています。リターンが増える代わりに、効率と安定性は落ちている。 配分を3対7まで寄せれば年率リターンは17.51%まで伸びますが、シャープレシオは0.871、落ち込みは27.17%まで悪化します。「どれが一番良いか」ではなく、「何を差し出して何を受け取るか」を、数字で見比べてから自分で選ぶ――この機能がやっているのは、それだけです。

そして、ここでも都合の悪い事実を先に書いておきます。

この組み合わせで使っているギャップフェードは、DSRの基準0.95を通過していません。記録上は0.0000です。 合成後の数値が良く見えても、それは「検証に合格した手法」ではありません。加えて、上場廃止銘柄を含めた計算でも生存バイアスは軽減されただけで、完全に解消されたわけではありません(月次の記録から復元しているため、1か月より短い期間で上場と廃止の両方が起きた銘柄は捕捉できていません)。ギャップフェードは対象銘柄を無作為に300銘柄選んで検証するため、どのサンプルを引くかでも成績は変わります(7対3の年率リターンは、10サンプルの最小~最大で14.92%~17.69%、現在の上場銘柄だけの場合)。過去のシミュレーション結果であり、将来の成績を示すものでも、保証するものでもありません。

不合格の手法を含む組み合わせを、なぜ削らずに同梱しているのか。私たちが売っているのは「合格した手法」ではなく、合格・不合格を含めた判定そのものへのアクセスだからです。 数字を見て使わないと判断していただくのも、このアプリの正しい使い方の一つです。判断材料を伏せて選ばせないより、不都合ごと開示して選んでいただく方を選びました。

練習用の記録と、安全装置

どれほど厳密に検証した戦略でも、実際に運用する段になって感情で判断を変えてしまえば、検証の意味は半分失われます。ClearQuantに発注の機能はありませんが、「今日のスキャン」の結果を実際のお金を使わない練習用の記録として残す仮想記帳があります(右上の「その他」の中にあります。押すと内容の確認が出て、初期の選択は「やめる」です)。

その記録に対して働くのが、設定の「安全装置の状態」で確認できる2つの仕組みです。ひとつは、損失が確定した決済が連続して上限の回数に達したとき、仮想記帳の新しい記録を自動で止める仕組み。もうひとつは、価格の異常値・データ配信の遅れ・約定内容の食い違いなどを見つけたときに、仮想記帳の新規と決済の記録の両方を止める「緊急停止」です。止まった状態からの再開は、あなた自身が理由を確認して操作したときだけで、自動では戻りません。画面の下の帯にも「安全装置 稼働中」と出ます。ふだんは開かなくて大丈夫な項目です。

完璧な予知能力を謳うつもりはありません。これは「損失を防ぐ魔法の仕組み」ではなく、「あなたが決めたルールに沿って、機械的に・感情抜きで記録を止める仕組み」です。そして画面の右下には、「実行レベル0・分析のみ」と常に表示されます。このアプリには、証券会社への発注・自動売買の機能が一切ありません。

株価を更新|あなたの契約を、そのままアプリに

「データ配信サービスと自分で契約する」といっても、専門知識がないと難しそうに感じるかもしれません。ClearQuantの「株価を更新」画面は、2つのボタンで進みます。ご自身で取得したAPIキーを設定に保存したら、「データを取得」を押し、終わったら「正規化」(ソフトが扱える形への変換)を押します。取得中も画面は固まらず、ほかの画面に切り替えて見られます。途中でやめたいときは「中断」を押すと、それまでに取得した分は保存され、次回は続きから再開します。毎日の更新は、前回取得した日付より後の分だけを取り込むので、1分ほどで終わります。初回だけは、「詳細設定」で財務データにも印を入れて取り込みます(同梱の「割安株」が財務データを使うためです)。

画面の使い勝手

機能の話ばかりが続いたので、道具としての使い勝手にも触れておきます。左のメニューは、作業の流れの順に上から並んでいて、「≡」を押すと細く畳めます。画面の上のボタンの列では、緑色の大きなボタンがその画面のいちばん大事な操作で、使う頻度の低い操作は右端の「その他」に入っています。表の列幅は見出しの右端をドラッグして変えられ、画面右上の「?」を押すと、その画面でできることと使う順番が出ます。文字の大きさは、上のメニューの「表示」から小・中・大に変えられます。1024×680という小さめの画面でも、横にはみ出さずに表示されることを確認しています。

データ利用の費用について

ここで、費用の話を正直にしておきます。ClearQuantの本体価格とは別に、データを取得するための月額費用(目安ひと月あたり¥3,300程度)を、あなた自身の契約として、ご自身で契約するデータ配信サービスに支払っていただく必要があります。ソフトの購入代金にこの費用は含まれていません。

この費用は、ClearQuantが株価・財務データの取得元をはっきりさせるために、あえて有料のデータ配信サービスと連携する設計にしているためです。ClearQuantが、あなたの代わりにデータを購入・転売することはありません。あなた自身がご自身の契約・ご自身のAPIキーでデータを取得し、ClearQuantはそれを取り込んで計算するだけです。取得したAPIキーは、まずOS標準のパスワード保管庫(Macのキーチェーン、Windowsの資格情報マネージャー)に保存されます。この保管庫が使えない環境の場合に限り、アプリのデータ置き場の中のファイルにそのまま読める形で保存されます。画面にキーの中身が表示されることはありません。一度取得したデータは、契約をやめても消えず、取得済みの範囲内であれば引き続き使えます。

体験版について

一部のご紹介者様(アフィリエイター)経由で、実行を5回まで試せる体験版が配布されていることがあります。もしそちらを先に触れた方がいらっしゃれば、念のためお伝えしておきます。製品版のClearQuantには、実行回数の制限は一切ありません。 体験版はあくまで「操作感を確かめていただくための限定的なもの」で、製品版とは別に用意されたバージョンです。体験版の「5回」は、「今日のスキャン」の「スキャン実行」と、「シミュレーションを実行」の「実行」(資金配分を含む)を、同じ枠で数えます。残り回数は画面の下の帯に常に表示されます。

お届けするもの

買い切りです。利用期限はありません。実行回数にも制限はありません。
別途、データ提供元とのご契約(月額)が必要です。購入代金には含まれていません。

動作環境

項目必要な環境
OSmacOS(Intel Mac向けに作っています。Apple Siliconの Mac では macOS 標準の Rosetta 2 を使って動かす想定です。Apple Silicon実機での動作確認は現時点で行っていません)/ Windows 10・11(64ビット版)
CPU64ビットのプロセッサ(Intel Core i3 相当以上)
メモリ4GB 以上(8GB 以上あると安心です)
空き容量2GB 以上
インターネット接続データ取得時に必要(スキャン・シミュレーションはオフラインでも動作します)
その他データ提供元のアカウントと、データ利用プランのご契約(別途月額費用)

空き容量の内訳:アプリ本体が約 0.3GB、取得したデータが全銘柄・約10年分で約 0.5GB です。シミュレーション時の作業領域を含めて 2GB 以上をご用意ください。取得する銘柄数を絞れば、必要な容量はこれより小さくなります。
メモリについて:全銘柄(5,000件以上)のスキャンを実測したところ、使用量のピークは約 0.15GB でした。4GB のパソコンでも動作しますが、他のアプリと同時にお使いになる場合は 8GB 以上あると安心です。

価格について

ClearQuant本体は、¥29,800(税込)の固定価格です。買い切りで、利用期限はありません。販売本数に応じて値上げする方式は採っていませんし、人数や期間を区切るような煽り方もしません。「今だけ安い」という理由で判断を急がせるつもりはないので、内容に納得できたときに選んでいただければ十分です。

なお、先にお伝えした通り、この本体価格とは別に、データ取得のための月額費用(目安ひと月あたり¥3,300程度)が、あなた自身の契約として発生します。

この検証の仕組みを自分の手元に置いておきたいと思ったら。

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よくある質問

Q. プログラミングの知識がなくても使えますか?

A. 戦略を編集は、ボタンと入力欄だけで点数のつけ方や条件を変えられる設計です。コードを書く必要はありません。

Q. ClearQuantを買えば、利益の出る戦略が手に入りますか?

A. いいえ。ClearQuantが提供するのは「あなたのルールを厳しく検証する仕組み」であり、利益が出ることを保証する戦略そのものではありません。本文でお見せした通り、私たち自身の候補も不合格になった記録を、隠さずそのまま残しています。将来の運用成果を保証するものではありません。

Q. 自動で売買してくれるのですか?

A. いいえ。発注・自動売買の機能は一切ありません(画面の右下に「実行レベル0・分析のみ」と常に表示されます)。証券口座ともつながっていません。実際の売買判断と実行は、常にあなた自身が行います。

Q. 画面に「買い」「売り」は出ますか?

A. 出ません。出るのは、点数と、その点数があなたの設定した線のどの帯に入ったかの色分けだけです。どの銘柄を、いつ、いくら分売買するかは、ご自身で判断してください。

Q. データ利用料が別途かかるのはなぜですか?

A. ClearQuantは、株価・財務データの取得元がはっきりしている、有料のデータ配信サービスとの連携を前提にした設計にしています。この費用はあなた自身の契約分であり、ClearQuantの購入代金には含まれていません。

Q. 前回の記事と何が違うのですか?

A. 前回は「個別株の情報の見分け方」という考え方の記事でした。ClearQuantは、その考え方を実際に自分の手で動かすための道具です。前回紹介した物差し(DSRなど)を、あなた自身が設定した戦略にそのまま当てられます。

Q. 資金配分(複数戦略)は、シグナルを合成する機能ですか?

A. いいえ。複数の戦略を、それぞれ独立した財布として同時に回し、日々の損益を配分比率で足し合わせて評価する機能です。「両方の条件を満たした銘柄だけ買う」といった合成は行いません。同梱している組み合わせのうち、ギャップフェードはDSRの基準を通過していません(記録上0.0000)。その事実も画面に表示したうえで、使うかどうかはあなたに選んでいただく設計です。

Q. 1銘柄にいくら買えばいいのか、自分で計算しなければいけませんか?

A. 設定の「投資予算・株数の計算」に投資予算と目標保有銘柄数を入れておけば、「新規に使える予算 ÷ 残りの枠数」で1銘柄あたりの金額が決まり、「今日のスキャン」の最上位の帯に入った銘柄の行に、計算株数・計算金額が表示されます。ただしこれは、あなたが入力した数値を式に当てはめただけの計算結果です。

Q. 初心者でも扱えますか?

A. 専門用語はそのままにしつつ、「=つまり」の言い換えを添えています。画面内にも、用語にカーソルを重ねると出る説明、「言葉の説明」、各画面右上の「?」を用意しており、迷ったときにその場で確認できる作りにしています。

最後に

次にSNSで「勝率◯%」を見かけたとき、あなたの手元には、その数字を確かめる道具があります。気になった銘柄を「今日のスキャン」で並べ、点数の内訳を見る。買ったら「保有と損益」に記録する。何株かは「株数の計算」で式ごと確認する。自分のルールは「戦略を編集」で組み、「シミュレーションを実行」で、試した回数まで数えた検定にかけてみる。

私たちは、自分たちが最も期待した候補ですら容赦なく不合格にする物差しを、隠さずそのままお渡しします。都合の良い結果だけを見せる道具ではなく、都合の悪い結果まで正直に返す道具だからこそ、あなたが自分の目でルールを試したときの結果も、信じることができます。インデックス投資だけでは物足りないと感じてきた、私たちと同じ場所に立つあなたへ。内容に納得できたら、このページの下のボタンから、一歩を踏み出してみてください。

ClearQuant本体

¥29,800(税込・固定)です。

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特定商取引法に基づく表記

【動作環境】OS:macOS(Intel Mac向けに作っています。Apple Siliconの Mac では macOS 標準の Rosetta 2 を使って動かす想定です。Apple Silicon実機での動作確認は現時点で行っていません) / Windows 10(64bit)以降。メモリ:4GB以上(8GB以上あると安心です)。ディスク空き容量:2GB以上。インターネット接続環境(データ取得時に必要)。

【投資に係るリスクおよび手数料について】
当商品は、著者と同じような利益が出ることを保証するものではありません。

株式投資は価格変動リスクを伴い、投資した元本を下回る損失を被る可能性があります。信用取引を利用する場合は、預託した証拠金を上回る損失が生じる可能性があります。

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